アスタキサンチンとフラバンジェノール®の併用は、糖尿病性合併症の抑制に有用であることが示唆され一時話題になりました。
そもそも、あまり聞き馴染みのないアスタキサンチンとはどのようなものなのでしょうか。
サケやイクラ、エビ、カニ、オキアミ、藻など、海の生物たちに多く含まれている天然の赤い色素で、カロチノイドの一種とされています。
生物の体内に発生する活性酸素を抑制する抗酸化力に優れており、その力は、ビタミンEの1000倍といわれています。
紫外線や脂質過酸化から生体を防御する因子として働いていると考えられ、光障害から目を保護する効果もあるようです。
このような特性から、近年、サプリメントやコスメティックなどにも利用されて話題を集めており、多くの分野で役立つことが期待されています。
2007年5月、第61回 日本栄養・食糧学会大会にて、日本女子大学食物学科・富士化学工業の共同研究により次のような研究結果が発表されました。
「 アスタキサンチンとフラバンジェノール®Rの併用による糖尿病合併症抑制効果 」
<目的 >
本研究室では食餌性抗酸化剤アスタキサンチンによる糖尿病合併症抑制効果を報告してきた。
今回はアスタキサンチンと水溶性かつポリフェノールを豊富に含んだ松樹皮抽出物(フラバンジェノール®)を併用することで、糖尿病合併症抑制効果について検討した。
<方法>
Wistar系ラット(雄、7週齢)28匹にSTZ(50mg/kg体重)を投与して糖尿病ラットを作成し、対照群(C群)、飼料中にアスタキサンチン100ppmを
含む群(A群)、フラバンジェノール®0.2%を含む群(F群)、アスタキサンチン100ppm及びフラバンジェノール®0.2%を含む混合群(M群)に分け、12週間飼育した。
解剖時に血液、肝臓、腎臓、レンズを摘出し、生化学検査を行い、比較検討した。
<結果・結論>
上記の目的で検討した結果、血清、肝臓、腎臓およびレンズの過酸化脂質および尿中8-OHdG値は、C群と比べてM群が有意に低値を示した。
また、A群、F群の単独摂取群においても抑制傾向を示した。白内障の進行においては、F群で特に低値を示した。
さらに、血中脂質のトリグリセリド濃度は、M群が有意に低値を示した。
なお、フラバンジェノール®の併用は生体内のアスタキサンチン濃度に影響を及ぼさなかった。
したがって、アスタキサンチンとフラバンジェノール®の併用は、糖尿病の発症によって引き起こされる酸化ストレスや脂質代謝異常に対して改善効果を示すことが明らかとなり、糖尿病性合併症の抑制に有用であることが示唆された。
糖尿病の人には、大変耳寄りな情報ということができるでしょう。
アスタキサンチンとフラバンジェノール®、どちらも単体でも様々な効能を期待できる成分ですが、併用することにより、新たな使い道が見出されたようです。
『フラバンジェノール』『FLAVANGENOL』は株式会社東洋新薬の登録商標です。